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不合格には理由がある?一発で合格するレポートの書き方の基礎基本!

 通信教育ではレポートの提出が欠かせません。「書き方が分かりません!」というご質問も過去に多くいただいていますので、少しでも参考にしていただけたらと思い紹介します。特別なことはありませんが、自身のレポートを見直すうえでの視点に加えてみてください。

 もちろん、レポートの合否は大学が決めることですが、ここでは「そもそも」の話をします。大学生の書くレポートとしての基礎・基本です。内容以前にこれではダメだというものもありますので、参考にしてください。まずは、大学生らしいレポートについて説明します。

大学生らしいレポートの条件
 ① 書き方の基本を踏まえていること。
 ② 課題からそれずに自分の考えを分かりやすく書くこと。

 あまりに当然のことと思うことかもしれませんが、これが意外とできていないようです。レポートに限らず、文を書く時の基本として教員になってからも意識していきましょう。

目次

① 書き方の基礎・基本を知る

 では、書き方の基礎・基本とは何でしょうか。特に大切だと思うことを3つ書きます。

基本1 文体の統一

 まずは、形式的なことですは文体の統一をします。レポートの場合基本的には「常体」を用います。採点に影響するかどうかはわかりませんが、文体が統一されていないかったり、誤字や脱字が多かったりすると印象は良くないと思います。

常体文とは・・・「~だ」「~である」で文末が終わる文章 
敬体文とは・・・「~です」「~ます」で文末が終わる文章

 子どもの作文指導でもこのあたりの不整合は即チェックです。大学生の場合は「コピペ」が疑われるので絶対に書きぶりは統一しましょう。

基本2 序論・本論・結論の展開

 長い文章を書くことが苦手という人は多いと思います。そんな時は、文章をパズルのように組み立てて完成させます。小学1年生の教科書でもはじめ、中、おわりの構成を意識します。伝わる文章の基礎・基本だと思います。

【序論】…課題報告集の課題を要約を書き、これについて書くぞ!とアピール。

(書き出しの例)
 今、教育について○○のような問題がたびたび指摘されている。~例えばということがある~。このようなことを改善していく方法として、私は次の2点について考えた。

【本論】…序論をうけて、教科書の内容をまとめつつ自分の考えを述べ、裏付けのとして自分の体験談やネットで調べたことを例として織り交ぜながら書く。

(展開の例)
 一つ目は、~。たとえば~。テキストには~。このように。
 二つ目は、~。テキストでは。私も~。このように。

【結論】…序論で書いたことにしっかり答えるように、簡潔にまとめる。間違ってもここでぐだぐだ書かない。

(まとめの例)
 このように、私は~と考える。(書いたことを超要約)。これから教職に就いたとき~と最後はかっこよく何かを誓っても良い。

 まぁ、世の中なんでもそうですね。授業もそうです。ドラマもそうです。そして、書いたことの初めと終わりの辻褄があっているか。入口と出口とか、問いと答えとかいろいろ言いますが、矛盾していませんか。そんなことが大切だと思います。

基本3 自分の言葉で書く

 レポートを書くときに、本の内容を引用したりネット上の情報を写したりする場合があります。そんな時でも、必ず自分の言葉に置き換えて書くことが大切です。難しい言葉や慣れない言葉を使っても、結局は読みにくいものになるので評価にもつながりません。自分の言葉で書くということはそれなりに理解していないとできないことですが、これができるとポイントが高くなると思います。

 また、分かりやすい文の構成になっているかチェックするためには、段落ごとに一言で言えるかどうかチェックするとわかります。結局、レポートでもなんでも言いたい事ってそんなにたくさんは無いんですよね。主張はひとつだったりするのですが、それを分かってもらうためにあの手この手を使っているわけです。大きく、序論、本論、結論を簡単な言葉で言えるかどうか。更に、段落レベルでも同じようにスラスラ言えるか。シンプルにすることでかなり読みやすさが変わってきます。

② 課題からそれずに考えを書く

 次に、課題からそれずに無理なく無駄なくレポートを書く手順を紹介します。とっても読みやすい文章でも、おもしろい話題でも、「話し上手ですねぇ」で終わってしまいます。聞かれていることに答える(採点者にとって書いてほしいことを書く)ことが大切です。

1 課題報告集を読む(+科目終了試験過去問)

 レポートの作成に当たって、まずは「課題報告集」を読みます。今はインターネットでも参照できますね。科目にもよりますが、何について書けば良いのかが詳しく書かれている科目もあります。 大切だと思うところに線を引きながらポイントを整理し、それから配付されているテキストを読むと効率が良くなります。

 さらに、もし余裕があれば科目終了試験の過去問にも目を通しておくといいです。科目終了試験はその科目の肝になる部分が出題されていることが多いので話題の中心となるところがわかりますし、レポート作成時から試験対策を意識することができるので効率も良くなります。

2 テキストを読む

 次に、テキストをサクサクと読んでいきます。難しい内容のものもありますが、読んでもわからない部分はとりあえず飛ばして先へ先へと読んでいきます。その際、課題報告集を時々見直しながら読むといいと思います。読みながら、ここだ!と思うところに付箋やマーカーをひいていくと、あとでレポートにするときに便利です。

 教科書に添って書き、引用などの明記も効果的です。なお、レポートは、「テキストのまる写しは不可」とされています。ここでいう「まる写し」というのはおそらく、そっくりそのまま書くなという事だと思います。そもそもまる写しって字数的にも難しいですよね。参考文献なども紹介されていますので、時間があれば読むに越したことはないのでしょうが、働きながら勉強していると全部は読めません。正直私はほとんど読んでません。やはり、頼りになるのはテキストです。

 ではどうするといいのか。私は、ほとんどの科目をテキストと自分の体験や考えでまとめました。自分の考えを書いて、根拠としてテキストを引用したり、テキストの要約を書いて自分の考えを付け加えたり。そんな感じです。

 一部引用文献がある場合は、字数に余裕がある場合のみ著者、出典名、年、出版社をレポートの最後に表記しました。字数に余裕が無い場合は文中に、(○○○○、『』、1998、○○出版)と書きました。

3 パソコンで下書きをする

 少し考えがまとまったら、いよいよレポートの作成です。基本的に下書きはパソコンでやっています。何度も書き直すことができるので文章の推敲がものすごく楽です。WORDを使用すれば、「ツール→文字カウント」で字数のチェックができますし、途中まで「子供」と書いていたものを、「編集→置換」で「子ども」や「児童」に置き換えることができます。あと、漢字のど忘れだったり、誤字だったり。「~たり、~たり。」のチェックもマークがつくのでいいですよね。あとは、レポートの返却が科目終了試験に間に合わないことも多々ありますので、パソコンのデータを見ての試験対策にも使えます。私は、この様な理由でパソコンでレポートの下書きを作成しています。

③ わからないことは調べる

 レポートを書いていると、わからない語句に遭遇したり、どうまとめて良いかわからなくなることがあります。 そんなときに頼りになるのもインターネットです。googleなどでレポートのキーワードを検索してみてください。指導案のヒントも結構みつかります。
「水道方式」とか、「小学 5年 指導案 家庭科」などなど。もちろん、目的が違いますのでそのまま使えるものは少ないとは思いますが、 行き詰ったときの解決策になるものはたくさんあります。がんばってみてください。

④ 清書して仕上げる

 いよいよ清書 内容以前の理由での門前払いだけは無いようにしましょう。

 清書の前に時間をおいてもう一度読み直します。結構ここで書き直したくなる部分が出てくることもあります。時間が無い場合は自分を信じてそのまま書き写していきます。レポートに写しながら途中で言葉を変えたりすりとおかしくなってくることがあります。書き直したいなら紙に書く前にできるだけパソコンで修正してからにします。

確認① ルールは守ってる?

 文字数については目安でしかありませんが、1単位1課題なら1800字から2000字くらい。2課題ならそれぞれ1000字くらいずつ書いています。2課題のときに、1回だけひとつ800字くらいで書いたら文句を言われましたが、不可にはなりませんでした。(科目によると思う)

 なお、字数がオーバーした場合は不備となるそうです。また、レポート用紙に紙を貼り付けることはできませんので、表やグラフもレポート用紙に直接手書きします。色課題用紙、バーコードシール以外の紙が貼り付けてあるレポートはすべて不備となります。(※私が在学時のルールですので確認してください。)

確認② 書き間違えないように書く

 準備ができたら清書をします。私は書くスピードが速い方では無いと思いますので1冊2~3時間は覚悟です。ダッシュで書けば1時間半くらいで終わるかもしれませんが、手が疲れます。

 途中でペンがかわったり、修正テープだらけになったりしたこともありますが、文句は言われませんでした。でも、ほどほどに・・・。 マス目を無視して書くレポートや、音楽Ⅰのように課題の貼り方や五線譜の添付などの条件がある科目には注意してください。

 レポート冊子は原稿用紙折り返すと返信用になっています。

⑤ 発送

レポートができたら発送の準備をします。

【切手】・・・15円切手というものがありませんので、10円と5円で出すか窓口で発行してもらいます。大学が近い人は直接窓口に出せばよいのでしょうが、返信用は必要です。

【各事項の記入】・・・必要事項を記入します。特に科目シールを間違えたり、課題の貼り忘れには注意してください。「初等○○教育法」と、「○○教育Ⅰ」などを間違えないようにしましょう。

 できたら発送です。合格することを願ってポストの前で合掌。

 でも、万一「不合格」で戻ってきても、講評が書かれているので2回目以降の提出は「手は疲れる」と思いますが楽になります。だから、失敗を恐れずにどんどん提出しましょう。ちなみに私は「音楽科教育Ⅰ」と「外国語(英語)」のみ不合格(再提出)でした。返信が遅いので出来上がったものからどんどん発送したほうが良いでしょう。まとめてポストに投函するのも好きですが…。大学に直接持っていくときはここに投函します。切羽詰まった時は交通費をかけてでも持参しましょう。札幌からでも持って行った方が早いですよね(笑)

なんと、不備があった!

 再提出を恐れずと言えど、これはマズイ。バーコードシールの貼り忘れなど、受付されずに、不備返送されてきたレポートは、新しいレポート用紙に書き直すのではなく、下記の手順で再度送付し直します。

(1)忘れていたバーコードシール(または色課題用紙)を貼付 
(2)新しい切手(往復)を消印済みの切手の横、または下に貼る 
(3)開封部分はセロハンテープで留め直す

⑥ まさかの再提出、その時は。

 何ヶ月も経ってから、再提出でもどってきたらかなりがっかりしますが、仕方がありません。

レポートを解体。悲しい儀式を行います。

(1)一度貼った課題をはがして新しいレポート用紙に貼ります。(コピーも可) 
(2)バーコードシールを切り取って、新しいレポート用紙に貼ります。(再利用) 
(3)講評を切り取って、「前回の講評」のスペースに貼り、表紙の再提出に○をつけます。なんとも切ない・・・。どんどん移植していきます。

 講評欄に「(2)のみ再提出」という指示が明記されている場合には、(2)だけを書き直して提出でOKです。この場合、最低文字数(1,500字)を満たさなくとも不備とはなりませんが、講評欄に具体的な指示が記載されていない場合には、すべて解答し直す必要があります。この場合は最低文字数(1,500字)を超える文量の記述が必要です。

 なお、2週間以内に出せと書いていますが、事務局に問い合わせたら必着ではないそうです。でも、遅れて気持ちのよいものではありませんので早く出しましょう。返ってくるまでまた時間がかかります。どうしても間に合わない人(スクーリングや出張で不在など)は事務局に相談してみてください。

レポートは「買わない」「売らない」

 私はこれだけはやめてほしいと思うんですよね。友達に見せてあげる。もしくはまる写しを許す。これもよくないことでしょうが、まあそこでやっててください。でも、そこで儲けようとか、お金を払って解決とか。売る方も売る方だし買う方も買う方だなと思うのですが。しかも、先生を目指す立場ですから、そこにはプライドをもちたいものです。

 最悪、困ったら安易にお金で解決しようとせずに、スクーリングに参加してできた仲間に頼ったり、当サイトで質問したりしてください。大学の質問票はありますが、例によって返信に時間がかかります。ただ、どの方法も「自分が何がわからないのか」を明確にしてから質問することが礼儀だと思います(「課題の何がわからない」など)。

 子どもや保護者に正直に言えないことは、先生になる前だからといってもやらない方がいいと私は思います。みなさんはいかがですか?

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この記事を書いた人

明星大学通信教育非公式ガイドの管理人です。よろしくお願いします。

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