大学で勉強していると単位の取得や卒業が目標のように錯覚することがあります。教員免許の取得が見えてくるとホッとする気持ちはよくわかります。でも、本当の目標は教員になって子どもたちと様々な関りをしていくこと。つまり、「自分なりの理想の教師」になることですよね。教員採用試験でモタモタしているのはもったいないですし、将来合格するものであれば、さっさと一発でクリアしたいものです。ここでは、教員採用試験対策についてまとめます。

教員採用試験は「免許取得見込み」でも受験可能

 教員免許が無くても、次年度4月までに取得できる見込みであれば受験することが可能です。ところが、多くの自治体は7月から8月に試験を実施しています。通信教育で学習をスタートして数か月、早い段階で教員免許の取得が可能なのかどうなのかの見極めが必要です。さらに、前の記事でも書いたように免許申請には時間とタイミングが関係してきます。そこも踏まえて単位取得計画をしっかりたて、採用試験受験対策を含めた学習計画が必要です。

 教員採用試験を受験すると決めたら当然試験対策を始めることと思います。もちろん、対策は絶対に必要です。でも、大切なことは何を対策するかということです。教員採用試験とはいったいどんな試験なのでしょうか。

 筆記試験、実技、面接など受験する自治体によって選考方法に若干の違いはあります。基本的に採用する側としては、「教員としてふさわしい資質や能力をもっているか。」を必死に見抜こうとしてきます。面接官になる校長先生や教育委員会の人は、「この先生に学級を任せられるのか。」「伸びしろはあるのか。」ということを意識します。では、どのような先生が好まれるのでしょうか。管理職や教育委員会の人の話、保護者や同僚の話などを参考にしながら私なりに考えてみました。大きくは以下の2つにまとめられるとおもいます。

1・教員としての資質 ・人間性
2・教員としての能力・知識

▶ スポンサードリンク

1 教員としての資質 ・人間性

 教職に対する熱意や正しい知識、会話や行いからにじみ出るような豊かな人間性といったところです。抽象的で難しいですよね。「そんなの試験で見抜けるか!」って思いますし、試験官が完全に見抜くことは難しいと思います。しかし、その雰囲気を少しでも伝えられるかどうかは自分次第です。どうですか?なんとかなりそうですか?ポイントとなりそうなことをキーワードにしてまとめてみました。

1、教職への熱意
2、教育に対する正しい知識・専門性
3、コミュニケーション力(若々しく、爽やかに、謙虚に)
4、豊かな人間性(人としての魅力)
5、協調性、リーダー性
6、指導力
7、柔軟性
8、視野の広さ

 勉強したからといって身につくことばかりではありませんが、教員としては非常に大切なことです。少し具体的なことを書きますので参考にしてみてください。

教職に対する自分自身の思い

 例えば面接で、「なぜ、教職を志すのか。」「どんな先生になりたいと思っているのか。」を問われることがあります。〇〇な先生になりたいと語る時に大切なことは、「今求められる教師像」とある程度方向性が合っているのかということです。教師を志すきっかけはいろいろあっていいと思いますが、話す内容や姿勢から、今の時代に合った信念のようなものが感じられると強いと思います。「この先生、頼もしいな。楽しみだな。考えているな。」という雰囲気ですね。それを生み出すためには、普段から現在の教育課題や世の中の動きに耳を傾け、自分の思いとして的確な言葉で伝えられなければいけません。ただし、松岡修造さんみたいに熱く語ればよいというわけではありません。大切なのは話の中味です。

謙虚でありながら、教職に対する前向きな姿勢

 先ず、心に留めておかなければならないことは、自分の経験をあれやこれや語っても武器にはならないということです。面接官は何十年と教員経験を積んだ方です。少し現場で勤めたくらいで得られるようなものを得意気に話しては、先ず良い印象は伝わりません。「こいつ、自信満々で大丈夫か?」というのが本音です。それよりは、「周りの先生や子ども達、保護者との関わる中で教育の奥の深さを感じている。これからさらに、様々な声に耳を傾け、進んで勉強していきたい。」というような自分を高めていこうという前向きな姿勢が好まれると思います。

若々しさ、爽やかさ

 モンスターとまでは言わなくとも、近年、子どもや保護者の要求は多様化し、その対応は増えてきています。また、職場内の人間関係を悩みにする先生も多くいます。このような中で求められるのは、まず、「若々しくて、爽やかな」先生です。暗い先生、弱々しい先生はたぶんアウトです。打たれ弱い先生も困ります。

2 教員としての能力・知識

 先生を本気で目指す人達ならある程度の教育法規や学習指導要領、教育時事などは教員として知っていて当然です。また、日本の子どもたちの学力が今どのように捉えられているのか、いじめや不登校の現状や予防や対応の基礎基本は分かっているか。教職を志すのにこの辺りを「知らない」となれば、「こいつ、本気か?」って試験官は思うはずですよね。そして、教育に携わる者として超常識的な考え方。それができない人はおそらくアウトでしょう。

・いじめられる方にも何か原因があるからどちらにも指導が必要ですよね?
・診断名がついて、特別な支援を要する子は特別支援学級に行かせることが本人や周りの子のためになりますよね?
・何度注意しても周りの子に繰り返し嫌なことをする子は、少しくらい叩いてやらないと分からないことだってありますよね?

 インクルーシブ教育の時代ですから模範解答は決まっていますよね。細かいところまで覚える必要はありませんが、世の中の流れや状況を理解しておくことです。正しい情報を根拠に物事を大きく捉えられるといいですよね。できそうですか?でも、ここで差がついていくんですよ。

採用試験対策を効率的に

効率のよい対策進める3要素

 ここからは、ではどうするのが良いかということをまとめていきます。忙しい中でどのように学習を進めていくと良いのでしょうか。ここではその3つの要素をまとめました。

1、試験の傾向を知る

 まずは、自分の受験したい自治体の試験について調べましょう。そうすることによって、どんな対策が必要なのか見えてきます。今の時代、多くの教育委員会のサイトには募集要項が掲載されています。前年度のものであっても結構だと思いますので、1次試験と2次試験の日程、試験の内容を確認します。なお、採用する側も毎年必死で、どのようにしたらより優秀な人材を確保できるのかと試験制度を見直しています。「知らなかった!」ということでは損をしてしまいますので、アンテナはしっかりもっておきましょう。

2、2次試験まで見通した学習計画

 学習をすすめるにあたり、いつまでに何をするのか見通しを立てることが大事です。日程の厳しさを実感すると思います。ポイントは2次試験まで見通すことです。どの道、採用試験合格は避けて通れない道です。1次試験が通るのは当たり前。2次試験も一気に合格するんだという意気込みで進めましょう。

3、とにかく無駄を省き効率よく

 このように、ざっと確認しただけでやることはいっぱいあるわけです。採用試験に集中できるならともかく、働きながら単位も取ってとなると、分厚い参考書を何冊も買ったどころでなかなかできるわけはありません。そこで、効率よく学習する方法を考えましょう。私が考えた方法は過去問攻略です。

一般教養~自分の受験する自治体の難易度によって対策を考えなければいけませんが、だいたい高校入試レベルの問題が解ければいいと思います。特に、理科・社会については中学のまとめ問題集が有効ですが、英語・数学についても同様のことがいえるでしょう。

教職教養 ~全国版の過去問題集を解けばかなり力が付きます。なぜなら、出題範囲となる教育法規・教育時事、教育史、心理、原理などは重要なポイントはそうかわるものではありませんので、全国どの都道府県でも似たような問題が出題されるからです。過去3年分、全国の問題に取り組めばかなりの力が付くはずです。

 採用試験の出題内容は変わっても、出題の仕方や範囲にはあまり大きな変更は見られません。また、全国的に見ても教職教養などは似たような問題が出る傾向にあります。

▶スポンサードリンク

「具体的な対策方法」を教えて!

 「難しいことはよく分かった!じゃあどうすればいいの?」そんな方のために、ここでは、私の経験を紹介します。

私の事例

 私はまず、1年目に東京アカデミーという公務員予備校に通ってみました。採用試験の傾向や覚えるべきことなどが整理できましたが結果は不採用でした。2年目は過去問をひたすらやりました。1次試験は2年連続で突破できましたが、2次試験でこの年も不採用になりました。3年目は「教員養成セミナー」を中心に勉強しました。内容は過去2年と比べると少なめですが、時事問題や教育に関する見方や考え方などが広がった気がしました。また、期限付き教員として働きながらでしたが、雑誌でしたので自分の都合で学習を進めることができました。実際、この年に2次試験の面接も突破でき、めでたく正採用となりました。やはり知識やテクニックだけではダメなんだということですね。

『教員養成セミナー』

19冊 27,900円(税込み・送料無料)

 教員採用試験対策が充実。分かりやすい言葉で噛み砕いた感じの内容。過去問の掲載量も多い。別冊シリーズも充実。

『教職課程』

15冊  20,281円(税込み・送料無料)

 教育問題なども幅広く掲載。資料やデータが充実していて考え方が広がる。もちろん、教員採用試験対策もある。採用後も生かせます。

 3年間の積み上げがあったので合格できたとも考えられますが、雑誌に関しては、1年分まとめて買ったとしても公務員予備校1か月分程度にしかなりませんので、もっと早く読んでおけばよかったなと思います。教員になれば1回の給料であっという間に元が取れますから、そこはケチるところではなかったなぁと思います。

最後にやっぱり教育時事!

 さて、1次試験も2次試験も差が付くのはやっぱり教育時事です。教員として採用するにあたって、世の中の流れがわかっていない先生はちょっと遠慮したいです。面接も小論文もうわべだけの知識ではボロが出ます。最低限の教育時事を理解していることは外せません。なぜなら、先生を目指す立場で試験を受けに来るのに、超基本的な教育時事を知らないという方は準備不足と見られても仕方がありません。しかも、教員なのに教育情勢に目を向けていない。そんな方が教員になって一生懸命教材研究をするのでしょうか。何だか怪しそうに感じませんか?試験のことをよく知り、しっかり対策をたてることが合格・採用への近道です。

>> 次の記事 教員採用試験の『小論文・面接対策』は?

 教員採用試験対策の2次試験は小論文や面接試験があります。1次試験を突破してから対策をたてるのでは正直遅い。でも、1次試験を突破できるかどうかわからないのに学習するのはモチベーションが・・・。でも、先生になるんですよね?ということは、2次試験は遅かれ早かれ必ず受けるわけですから、一発で通過できるように早めに対策をたてることが必要です。

教員採用試験・小論文対策はいつからどうすすめる?