しっかり準備しているにも関わらず自分の授業がうまくいかないことがあります。また、授業の最初は盛り上がるけど、だんだん盛り下がっていく悲しいパターン。気付けば自分ばかりが話しているなんていうことも・・・。ここでは、日々のどの授業でも使える「指導のバリエーション」を紹介します。

発言のさせ方いろいろ

 子どもに何かを発言させるときに、手を挙げている児童にだけ当てていてはだんだん答えてくれる子は少なくなってきます。ここでは、発言のさせ方を紹介します。これだけでも先輩の先生は、「おっ?やるなぁ。」って思いますよ。

 まず、なぜ子どもに発言を促すのかを考えてみましょう。

 大学や先生の研修でも、発言を求められるような問いかけをされたら、一気に思考しませんか。何かを発言するとなれば人は考えるのです。

 先生が黒板に書いたことを一生懸命にノートに書く。この姿は真剣ではありますが子どもの脳はアクティブに活動していません。 

 指名される心配がない、自分の考えを言わなくてもよい。

 このような環境にいると考えない子どもになり、真面目に頑張っているように見えるけどイマイチちゃんになります。ノートがきれいだけど点数が取れないという子は、このパターンが多いです。

発言のウルトラ基礎は思考のアウトプット

 今まで、手を挙げる積極的な児童のみに指名を繰り返していたとしたら、「話すこと」に抵抗感が出てきているかもしれません。

 男の子ばかり発表するクラスなんていうのは、発言の機会を男子がうばって、女子は黙っていても過ごすことができる環境にあったのかもしれません。

 では、どうするか。先ずは「確実にできること」で声を出すことになれさせることです。

先生「となりの人に伝えてください。「○○だよ~」」

子ども「○○だよ~。」

例えば、帰りの会で「明日はプールがあります。水泳用具と学習カードのハンコを忘れないようにしましょう」と伝えたいとします。先生はこのことを伝えたうえで、子どもに・・・

先生「となりの人に伝えてください。「明日はプールだよ~」」

子ども「明日はプールだよ~。」

先生「道具もってくるんだぞ~」

子ども「道具を持ってくるんだぞ~。」

先生「はんこも忘れるなよ~(笑顔でグーサイン)」

子ども「はんこも忘れるなよ~(笑顔でグーサイン)

一見バカバカしく見えるようなやり取りですが先生がやれと言ったからやっているという環境なので、子どもは恥ずかしがりながらも、楽しんでやります。笑顔とグーサインが素敵な子を見つけて褒めてあげれば、「はずかしいことじゃないんだ」と思って、よりはじけてくれる子が増えてきます。教室の空気が柔らかくなります。

先生「プール、道具、ハンコ!

子ども「プール、道具、ハンコ!

先生「プール、道具、ハンコ!

子ども「プール、道具、ハンコ!

先生「プール、道具、ハンコ!

子ども「プール、道具、ハンコ!

シュプレヒコールのように、子どもと声をあげることも使えます。とにかく、声を出すチャンスを増やすこと。これが大切です。

ポイント:声を出させることで子どもの思考に印象づける。動作をつけることで空気を軟らかくする。こんなことが大切です。

声を出させる発問方法『広げて絞る』

 手を挙げた子に先生が指名をして終わりでは、子どもは発言をしなくなりますし、先生が発問して求めるものが、「先生の意図する答え」であれば、分からないと発言しなくなります。ウルトラくだらない例ですが、皆さんもやってみましょう。

先生「これは何でしょう?」

子ども「リモコン」

先生「何の?」

子ども「テレビの」

先生「何に使うの?」

子ども「チャンネルをかえる。」

これが一問一答の良くない?例です。これをちょっと工夫してみるとこんな感じです。できればいきなりすべては見せません。

先生「これは何でしょう?」

真ん中の決定あたりや、4色のところをアップで見せたりして少しずつ情報を増やしていきます。

子ども「見たことある!」「何かのボタンだよ」「この4色テレビじゃない?」「絶対テレビのリモコンだよ!」

ポイント:資料の出し方をひと工夫するだけで、子どもはよく見ます。そして、それを根拠に発言をするのでこの次の学習に広がりや深まりが出ます。

先生「テレビのリモコンですね。これで何ができますか?

子ども「チャンネルが変えられる!」「Dボタンを使ってデータ放送が見られるよ」「音量も変えられる」「うちのはDVDも操作できるよ」「番組表が見られる」

このように出てきた発言を、①テレビそのものの機能と便利にする機能に分けて板書したり、②基礎的な機能から最近追加された機能の順に並べて板書していったりします。①だとリモコンそのものの便利さが際立ちますし、②だと機能の進化の様子が際立ちますので、これからどうなっていくのかなという視点にも広がりそうです。

先生「リモコンを使えばいろいろな操作ができるんですね。」

一番の特徴:「離れたところから操作できる」ことが出てこない。

授業でも、ねらいや本質に迫ることができない場合があります。その場合は学びを深める切り返しが必要で、そこで何と問うかがカギです。離れたところから操作できる良さに気付かせたいときに何と問えばいいか。2例出します。

A先生「それってテレビのところに行けばできるよね?

B先生「では、どこに置いておくといいですか?

 A先生でも子どもは「リモコンがあれば・・・」と「離れたところから」できるよさを言い出しそうですが、先生の意図が見え見えです。しかも、「テレビのところではできない」ことがあると言い出して議論が変な方向に行きかねません。4色のボタンが無いよ・・とかね。テレビのところでもできる・・・それなのにわざわざリモコンがあるよさは?と、考えてもらう必要があります。思考してほしいところまで距離があるので、途中で先生と子どもの意識のずれが出てくる場合があります。

 B先生でいくとどうでしょう。「無くすのでテレビのそばに置く」という子も出てくると思いますが、必ずそれに対して「テーブル」「ソファー」「台所」など「離れたところにおく」という意見も出てきます。「台所?リモコンで野菜でも切るの?」とちょっと遊んでも、子どもは真剣に「だってリモコンはね・・・」と距離を大切にする発言で議論できるはずです。

ポイント:リモコンを置く場所の答えを求めている訳ではなく、根拠を言い合うことで、「離れたところからも操作できるよさ」に気付かせたいということです。

声を出させる発問方法『先生が言いたい』を我慢する

先生「離れたところで操作できるし、たくさんの機能がついていてべんりなんですね。」

 こんな感じで先生がまとめてチャンチャン。というケースもまぁあります。でもここでもひと工夫できるんですよ。

先生「今日の学習をまとめてくれる人?」

最低限これでもいいですし、「ふりかえり」として、学習をまとめる習慣を使えさせておけばなおいいです。少し時間があるのであれば・・・

先生「リモコンのすごさを五七五でまとめましょう!」

などと、知恵を絞らせるのもアリです。そこに機能や距離といった授業ででてきたポイントが入っていれば学習の成果がみられるというわけです。五七五の川柳

声を出させる発問方法『子どもの常識』のズレを生む

前回の授業で、テレビのリモコンがどんどん進化して便利になってきていると学習していれば、子どもの思考は「リモコンはどんどん進化する」となっています。ここで、視点の変換です。もう、リモコンは飽きてきましたが少々お付き合いを・・・。

先生「このリモコンを見て気付いたことを言いましょう。」

子どもたちがいろいろ言う中で、機能が少ない。シンプルという話題になります。かんたん携帯やキッズ携帯などと結び付けて発言する子もいるかもしれません。そうなってくると、シンプルにするよさに迫り始めます。

先生「今発売している新しいリモコンです。」

リモコンはどんどん進化して便利になっているのに、なぜ~という学習課題になります。リモコンネタだとちょっとこれ以上深まりそうにないですが、高齢者や小さな子どものみならず、みんなにとっても使いやすいユニバーサルデザインという話にもっていくこともできますね。最後は、

先生「みんながかんたんリモコンをつくるなら?」

と聞いてデザインさせて説明を書かせると、「大きい文字」「機能をしぼる」「わかりやすい」など必要な工夫を理解しているかをみとることができます。

声を出させる発問方法『子どもの常識』のズレを生む

① 一斉発言
 見えたもの、気付いたことなどを一斉に言わせます。先生が指名したら一瞬でその子に注目します。一斉発言タイムでは、何も言わないでだまっていることをよしとしないことがポイントです。

② 意図的指名

机間指導などで、子どもの思考を見取ります。指名されたら返事をする。絶対に何かを話すことを約束します。子どもが発言できるように考えて指名します。発表が苦手な子にとってはチャレンジになりますが、発言できるように線を引いておくなどの手を打っておき、成功体験を積ませることで自信と安心感につながっていきます。

③ 列指名

答えることがたくさんあるとき、反復練習などのとき、音読などのときに使えます。

④ リレー指名

発言した子が次の子を指名します。

⑤ フリー発言

・ 発言したい子が3人立ちます。
・ 一人発言したら次の人が立っていきます。
・ 最初に指名した子の近くから発言する。立った順に発言するなどのルールを作ります。

◎ 発表の型はひとつではありません。他にもあります。授業の流れや意図によって使い分けられるようにします。

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