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 当時、教育実習を終えて実習日誌に書いたレポートの写しです。教職に就いてもう8年。今見ると恥ずかしい点もありますが、当時のまま掲載しています。なお、赤字は良い気づきだなと今の私が上から目線でつけたところです。

初等教育実習事後レポート

小学校教育実習から学んだことのうち、特に関心の深いものを3点あげる。

1、個に応じた学習指導の難しさ

 近年、「個に応じた指導」という言葉が多く使われている。この指導の具体的な方策としては、学級にいる児童一人ひとりの特性を把握し、指導の際に個々に応じた課題(壁)をどのように設定し、克服させていくのかを考えることが大切であることがわかった。

 私は、日々の実践の中で、児童の生活経験や得て不得手を把握し、一人ひとりに応じた課題を設定し、成就感を感じさせ自信をつけさせようと心がけた。指導教諭からは、このような個に応じた課題を、委員会や学校行事での役割分担などのあらゆる機会を通して設定していくことが大切であるとあった。児童の実態を把握し、計画的に指導をしていくことが必要である。しかし、それは思った以上に難しいことだった。

 実習中は、授業では児童の理解の程度を把握することに努め、机間指導の際のアドバイスの仕方や、指導の順番を工夫することを意識した。また、先に課題が終了してしまう児童に対しての「次の」指示の出し方も、貴重な授業時間を有効に使うために考えた。それを行うためには、教材研究の段階で児童の学習活動を予測し、しっかりと準備していくことが大切である。また、発表の場面でも、思っていることをどう表現してよいかわからない児童も多くいる。自分がどのように行動したら良いのか見通しを持たせることができるような支援も必要であると知った。ノートを書くことにしても、自分の考えをすぐに書き始める子、板書されたものを写す子、なかなか手がすすまない子と様々である。全員が書き終わるまで待てば時間がかかるので、何をさせなければいけないのか、何ができていればいいのかという目標を明確にして、どの子も学習が進められるように配慮した。ノート指導の難しさも実感した。教師として、配慮することは本当にたくさんあった。これらのことを常に意識しながら日々の教育活動に取り組んでいきたい。

2、児童の家庭環境に配慮した指導について

 教育実習では、学校に通う児童の家庭環境は実に多様で、経済状況が厳しい家庭や人間関係が複雑な児童も多数いた。実習中は、このことが学校生活とどのように影響しているか配慮しながら児童と接してきたが、家庭環境が健康面や学習面に大きく影響しているということを実感した。両親ともに帰りが遅く、家に帰っても一人で過ごす時間が長い児童の中には、家庭学習の習慣が身についていなかったり、バランスの良い食事ができていなかったりするケースもある。

 朝も親が仕事に行ってから登校するため、朝食を食べないで登校する児童も多くいた。教師は、塾や習い事に行くことができる児童や、家庭で生活習慣がしっかりと確立している児童だけを対象にしているのではない。やる気のある子もなかなかその気になれない子も、家庭がどのような環境にある子でも、学校に通うことで、一人ひとりの力が伸びていき、将来の道が拓けていくように導いていくことが大切である。

 家庭の影響が大きいということは、学校だけでは解決しない問題が多いということでもあった。学級通信や、懇談会、PTA行事や電話連絡など様々な機会を通して、保護者と上手に付き合っていくことが大切である。しかし、実際には一方的に学校に責任を押しつけてきたり、話が噛み合わなかったりという保護者もいるという現実もある。連絡がなかなかつかず、学校に任せきりという保護者も少なくない。何か問題があれば、それは学校の責任にしてしまいたいという考えも、今の時代の特徴かもしれない。でも、それに対立するのではなく、この現状を受け止める心の余裕さえ必要と感じた。学級にはいろいろなタイプの家庭が存在していることを理解し、「子どもの成長を願って」という思いを共有することから信頼関係を築き、協力しあえる関係を作り上げていけるようにしたい。

3、児童と遊ぶことの大切さについて

 実習校校長先生の講話の中で、児童と遊ぶことが大切であるとあった。小学校には中休みと昼休みがあり、短い時間ではあるが体育館や校庭で元気に遊んでいる。この時間を一緒に過ごすことは、遊びを通しての児童理解にもつながるし、児童にとっても教師の普段とは違う一面を見ることができる。休み時間と勉強時間のけじめをしっかりとつける良い手本を示すこともできる。また、学級の人間関係にアンテナをはるためにも必要な時間である。グラウンドで、教室で、誰が中心になっているのか、力関係はあるのか、一人ぼっちになっている子はいないのか。ほかのクラスの子とうまくやっているか。上級生や下級生とのかかわりはどうか、他の先生に挨拶はできているか。気になることはたくさんあった。

 ただ、気をつけなければならないことは、常に一緒にいれば良いということではないことである。児童とベッタリするのではなく、程よい距離を保っていく。校長先生は「ピッタリ」という言葉でこのことを表現されていた。子どもと遊ぶことも、信頼関係の構築や学級経営にとって大切である。日常の業務がたくさんあり、ついつい休み時間等も終われてしまうが、児童が学校にいる時間は極力一緒に過ごす時間を大切にしていきたい。

10年後の私から講評(笑)

 「言葉が難しい。言い回しがくどい。」と思いますが、大事なことも結構書いているなぁと思います。特に児童と遊ぶことの大切さなんて、わかっていてもなかなかできないものなんです。明日から初心に返って子どもと遊ぶように心がけます。